少子高齢化、人工知能や自動化の高度化、グローバル化による地球規模での競争社会など、これからの日本の子どもたちには厳しい社会が待っていると言われています。また、子どもの貧困や深刻ないじめ、虐待、子どもの自己肯定感の低下やうつ病の増加など、子どもたちを取り巻く今の環境にもさまざまな問題が聞こえてきます。

 

昨今、特に海外で盛んなポジティブ心理学と呼ばれる学問では、人がよりよく生きること(ウェルビーイング)に関する幅広いテーマの研究が行われ、持続的な幸福(フラーリッシュ)を得るためにどうすればよいかについて科学的な知見が集まってきています。この知見を教育に応用することを目的とした取り組みはポジティブ教育と呼ばれ、国外では既に多くの事例や成果が報告されています。ポジティブ教育の主要テーマとしては、困難な状況に遭遇しても折れない心を持ちしなやかに乗り越えて行く力(レジリエンス)、自分の強みを生かし社会で活躍するために役立つ知識、他者と良好な関係を築き問題を解決する力などがありますが、まさにこれからの子どもたちにとって必要な「生きる力」ではないでしょうか。ポジティブ教育には、このような非認知スキルが向上することとともに、学力の向上にも効果があることがわかっています。

 

私たちは、「子育てレジリエンスプログラム開発チーム」という任意団体として、米国をはじめ世界各国の教育機関で高い効果が示されている米ペンシルバニア大学マーティン・セリグマン教授の研究室で開発されたレジリエンス・トレーニングプログラムを研究し、日本向けのプログラムの開発を行ってきました。その後「ポジティブ教育勉強会」へと発展し、ポジティブ心理学の他の研究知見についての勉強会や子育てに活用した結果についての情報交換を行ってきましたが、その有用性を実感し、自分の子どもたちだけでなく全ての子どもたちがウェルビーイングを学ぶべきであり、それがウェルビーイングな社会、そして持続的に幸福な社会につながると確信するようになりました。レジリエンス・トレーニングに関する保護者と教員向けの勉強会を実施したところ、もっと知りたいという要望を受けるようにもなり、科学的根拠に基づくポジティブ教育を本格的に広める活動に取り組むことを決意しました。

ポジティブ教育についての調査・研究と普及啓発、ポジティブ教育の実践方法に関する親や教育者向けの講座やセミナーの開催、ポジティブ教育の導入支援、子ども向けのプログラムの実施を行い、子どもたちの持続的に幸福な人生を生きる力を育成し、さらに持続的に幸福な社会の実現に寄与することを目的とします。あわせて、育児中の親や、現在の過酷な労働環境に苦しむ教師のメンタルの強化など、 子どもと接する大人自身の幸福度の向上を支援することにより、虐待や貧困など子どもを取り巻く環境の健全化に寄与することを目的とします。 

設立趣旨